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看護師が夜勤をやめると給料はいくら下がる?夜勤手当の最新データで試算

看護師が夜勤をやめると給料はいくら下がる?

「もう夜勤はきつい」

そう思いながら給与明細を見ると、目に入るのが夜勤手当です。

身体はしんどい。夜勤明けはほとんど寝て終わる。それでも、毎月数万円の手当がついているとなると、簡単には手放せません。

「日勤だけになったら、生活できるのだろうか」

夜勤をやめたい気持ちと、収入を落としたくない気持ち。その間で迷っている看護師は少なくないでしょう。

では、夜勤をやめると実際に給料はどれくらい変わるのでしょうか。

日本看護協会が2026年3月に公表した「2025年 病院看護実態調査」を見ると、二交代制の夜勤手当は1回平均11,470円。月4回なら約4万6,000円、年間では約55万円になります。

50万円を超えるとなれば、決して小さな金額ではありません。

ただし、「夜勤をやめる=年収が55万円下がる」と単純に考えるのも早計です。

今の病院で日勤勤務へ変わるのか。それとも、クリニックや訪問看護などへ転職するのか。基本給、賞与、各種手当まで変われば、年収差は大きくも小さくもなります。

まずは、夜勤をしていることで自分はいくら受け取っているのか。そこから数字を整理してみましょう。

目次

看護師の夜勤手当はいくら?

日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」によると、病院が支給している1回あたりの定額夜勤手当の平均は次のとおりです。

夜勤形態1回あたりの平均夜勤手当
三交代制・準夜勤4,300円
三交代制・深夜勤5,211円
二交代制・夜勤11,470円

二交代制は勤務時間が長いぶん、1回あたりの金額も大きくなります。

興味深いのは、この夜勤手当が長い間ほとんど増えていないこと。

二交代制の平均夜勤手当は2010年に10,745円。2025年は11,470円なので、15年間で増えたのは725円です。

物価や生活費が上がるなか、この伸び幅をどう見るか。

「夜勤はきつくなったのに、手当はそれほど増えていない」と感じている人がいても不思議ではありません。

二交代で月4回なら、年間約55万円

二交代制の平均11,470円を使って、夜勤回数ごとに計算してみます。

月の夜勤回数月額の夜勤手当1年間の目安
2回22,940円275,280円
3回34,410円412,920円
4回45,880円550,560円
5回57,350円688,200円

月4回なら年間約55万円。月5回なら約69万円です。

普段は「夜勤手当がついている」くらいの感覚でも、年単位で見るとなかなか大きな金額になります。

ただ、この表はあくまで平均額を使った単純計算です。

病院によって夜勤手当は違いますし、夜勤回数に応じた加算、深夜割増、時間外勤務などが別に付くこともあります。

自分の場合にいくら差が出るのか知りたいなら、まず見るべきはネットの平均ではなく給与明細です。

夜勤をした月に、実際いくら上乗せされているのか。ここを確認するだけでも、かなり現実的な数字が見えてきます。

三交代なら、準夜勤と深夜勤を分けて考える

三交代制の場合は少し計算が変わります。

2025年の平均は、

  • 準夜勤:4,300円
  • 深夜勤:5,211円

となっています。

例えば1か月に準夜勤4回、深夜勤4回なら、

準夜勤は
4,300円 × 4回 = 17,200円。

深夜勤は
5,211円 × 4回 = 20,844円。

合わせると月38,044円、年間では約45万7,000円です。

もちろん、準夜勤と深夜勤の回数は勤務先やシフトによって違います。

三交代で働いているなら、勤務表と給与明細を横に置いて計算したほうが早いでしょう。

「夜勤手当×回数」だけでは実際の差額にならない

ここで少しややこしい話があります。

夜間に働く場合、給与には「夜勤手当」だけでなく、法律で定められた深夜労働の割増賃金も関係してきます。

午後10時から午前5時までの労働には、原則として25%以上の深夜割増が必要です。

病院によって給与明細の見せ方もさまざま。

深夜割増とは別に夜勤手当を出している病院もあれば、定額の夜勤手当に含めているところもあります。

そのため、

「夜勤手当が1回1万円だから、月4回やめれば4万円減る」

とだけ考えると、実際の給与差とずれることがあります。

給与明細を見るときは、

  • 基本給
  • 夜勤手当
  • 深夜勤務に関する手当
  • 時間外手当
  • その他の固定手当

を一度分けて見てみると分かりやすくなります。

夜勤をやめても、基本給まで下がるとは限らない

夜勤をやめる方法は、転職だけではありません。

同じ病院で病棟から外来へ異動し、基本給が変わらないのであれば、主に減るのは夜勤に関係する手当になります。

一方、病院そのものを辞めて別の職場へ移れば、話は変わります。

例えば病棟からクリニックへ転職すれば、基本給も賞与も別の仕組みになるかもしれません。

訪問看護なら、夜勤はなくてもオンコール手当や訪問件数に応じたインセンティブが付くことがあります。

美容クリニックなら、病院とはまったく違う給与体系を採用しているケースもあります。

つまり、「夜勤なしなら年収○万円」という共通の答えはありません。

夜勤手当がなくなることだけを見るのではなく、次の職場で年間いくら受け取れるのかを見る必要があります。

手取りが月4万6,000円そのまま減るわけではない

夜勤手当が月4万6,000円なくなったからといって、銀行口座への振込額も4万6,000円そのまま減るとは限りません。

給与が変われば、所得税や社会保険料などにも影響するためです。

そのため、

「額面年収が55万円下がる」=「使えるお金が55万円減る」

ではありません。

生活への影響を考えるなら、年収だけでなく、毎月いくらあれば暮らせるのかを見たほうが実用的です。

家賃や住宅ローン、食費、車、保険、教育費。

毎月の固定費を並べてみると、「夜勤をやめても大丈夫な最低ライン」が見えてきます。

漠然と「給料が下がるのが怖い」と考えていると判断しづらいものですが、数字にしてしまえば話はずっとシンプルです。

夜勤なしでも収入を確保しやすい仕事はある?

夜勤をやめるとなると、気になるのが日勤だけで働ける職場です。

ただ、「夜勤なし」という条件だけで探すと、思っていた働き方と違うこともあります。

職場ごとの特徴をざっくり見てみましょう。

訪問看護

訪問看護は日勤中心の求人が多く、病棟からの転職先としてよく候補に挙がります。

給与を見るときは、基本給だけでなく、

  • オンコール待機手当
  • 緊急訪問手当
  • 訪問件数によるインセンティブ
  • 賞与

まで確認しておきたいところ。

「夜勤はないけれどオンコールがある」という職場も珍しくありません。

夜に働かないことを最優先するなら、オンコールの有無や担当回数まで見ておく必要があります。

美容クリニック

美容クリニックも基本的には日勤の仕事です。

夜勤手当はなくても、職場によってはインセンティブ制度があり、給与水準に幅があります。

一方で、病院とは接遇の考え方が違い、土日祝日はむしろ忙しいことも。

「夜勤がないから楽そう」というイメージだけで選ぶと、入ってからギャップを感じる可能性があります。

企業

企業の健康管理室などで働く看護職も、日勤中心になることが多い仕事です。

会社の勤務日に合わせる職場なら、土日休みを狙えることもあります。

ただし、病院と比べて求人そのものが少ないのが難点です。

保健師資格を応募条件としている企業もあるので、看護師免許だけで応募できるかは求人ごとに確認します。

クリニック

無床クリニックなら、基本的に夜勤はありません。

採血、注射、点滴、診療補助など、病棟で身につけた技術をそのまま使いやすいのもメリットです。

ただし、病棟勤務から移ると夜勤手当がなくなるだけでなく、賞与水準まで変わることがあります。

月給だけを見ると大きな差がなくても、年収にすると数十万円変わるケースもあるため注意が必要です。

転職先は「月給」ではなく「年収」で比べる

求人を見るとき、最初に目に入るのは月給です。

例えば、

現在の病院が月給35万円。
転職先が月給30万円。

これだけ見ると、月5万円も下がるように感じます。

でも、現在の35万円に夜勤手当が5万円含まれているならどうでしょう。

基本部分だけ比べると、実はそれほど変わらないかもしれません。

さらに賞与、残業、年間休日まで加えると、印象はまた変わります。

比較するときは、

  • 基本給
  • 固定手当
  • 夜勤やオンコールなど回数で変わる手当
  • 賞与
  • 残業代
  • 年間休日

を分けて見てください。

月給は分かりやすい数字ですが、転職を考えるなら「1年間働いていくらになるか」のほうが重要です。

給料のためだけに夜勤を続けているなら、一度計算してみる

夜勤を続ける理由として、収入は軽視できません。

年間50万円前後の差が出るなら、簡単に手放せる金額ではないでしょう。

ただ、

夜勤明けは毎回寝て終わる。
休日まで疲れが残る。
夜勤前になると気が重い。

そんな生活が続いているのに、「給料が下がるから」という理由だけで続けているなら、一度数字にしてみる価値があります。

今の年収が500万円。

夜勤のない仕事に移ると450万円。

この50万円をどう感じるかは、人によってまったく違います。

「50万円も減る」と考える人もいれば、「月に直せば数万円。それで夜勤がなくなるなら検討できる」と考える人もいます。

正解はありません。

大事なのは、何となく怖がるのではなく、自分の生活に置き換えて判断することです。

求人を見るだけなら、今の職場を辞める必要もありません。

実際の給与条件を見比べてみれば、「夜勤なしで働くとどの程度の収入になるのか」がかなり具体的になります。

夜勤をやめる前に見ておきたい3つの数字

夜勤を続けるか迷っているなら、最低限この3つだけは確認しておきたいところです。

1.夜勤で月いくら増えているか

最初に見るのは給与明細。

夜勤をした月と、回数が少なかった月を比べると分かりやすくなります。

「夜勤1回でいくら」という感覚ではなく、月単位・年単位で把握してみましょう。

2.生活に最低いくら必要か

次に毎月の支出です。

家賃や住宅ローン、食費、光熱費、保険、通信費などを並べて、最低限必要な手取り額を出します。

この数字が分かれば、「夜勤なしでも生活できるか」をかなり現実的に考えられるようになります。

3.夜勤なし求人の年収はいくらか

最後は実際の求人。

クリニック、訪問看護、美容、企業、健診センターなど、いくつか違う職場を見てみます。

予想より条件のいい求人が見つかるかもしれません。

反対に、「今の病院は思っていたより給与条件がいい」と気づくこともあります。

どちらの結果でも構いません。

転職するかどうかを判断する材料が増えるからです。

夜勤をやめるかどうかは「失うお金」と「戻ってくる時間」で考える

日本看護協会の2025年調査では、二交代制の夜勤手当は平均1回11,470円。

月4回なら約4万6,000円。年間で見ると約55万円になります。

小さな金額ではありません。

一方、夜勤をやめれば、夜勤そのものだけでなく、夜勤前後の時間の使い方も変わります。

夜勤明けに一日寝ていた人なら、その時間が戻ってくる可能性もあります。

だからこそ、

「夜勤がつらいから辞める」
「給料が下がるから続ける」

という二択にしてしまう必要はありません。

まず、自分が夜勤で年間いくら受け取っているのかを確認する。

次に、夜勤なしの仕事ではどの程度の年収になるのかを見る。

そして最後に、その差額と今の働き方を比べてみる。

数字にしてみると、「夜勤を続けるべきか」という漠然とした迷いが、自分なりに答えを出せる問題へ変わってきます。

参考資料

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